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トップ > 戦争は“個”を破壊する 日本最高齢映画監督 新藤兼人さん
戦争は“個”を破壊する 日本最高齢映画監督 新藤兼人さん 掲載日:2007年10月31日
情報提供元:定年時代(外部サイト)
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 日本映画界最高齢の現役監督、新藤兼人さん(95)の戦争体験をドキュメンタリー・ドラマとして映画化した「陸(おか)に上った軍艦」がこの夏、公開された。「個が破壊されるから戦争はしてはいけない」。“戦争反対”という立場から熱く語り、映画を撮り続ける新藤さん。自らを“仕事師”と言い、映画への情熱の炎を、生ある限り燃やし続ける。

戦争を繰り返さないためにも、「戦争であったことは伝えなくちゃいけない」と熱く語る新藤さん
戦争を繰り返さないためにも、「戦争であったことは伝えなくちゃいけない」と熱く語る新藤さん

 1944(昭和19)年春、当時松竹大船脚本部のシナリオライターだった32歳の新藤さんは召集令状を受け、広島の呉海兵団に二等水兵として入隊した。

 新藤さんは振り返る。「日本人として、国家が命令すれば拒否するという気持ちはありませんでした。ただ、シナリオライターとしての仕事が遮断されることが残念でしたね。戦争に行けば死ぬに決まっていますから」

 新藤さんと一緒に召集された100人は、まず予科練(海軍飛行予科練習生)の兵舎の掃除をした。終わると60人がマニラへ送られた。最終的に94人が戦場へ。残ったのは新藤さんを含めた6人。それぞれ家族がいて、以前は仕事を持っていた。彼らは軍隊で死と隣り合わせの中、過酷な体罰を受け続けた。

 だが、そうした二等兵の戦記は、これまでの映画ではほとんど伝えられてこなかった。

 新藤さんが訴えたいこと。それは「戦争のむなしさみたいなこと」。国がいろんな過ちを犯して国民を犠牲にして終戦になった、その一端をこういう状況だったと訴えたい、と話す。

 靴を前後逆に履いて、前進しているが退却しているようにみせるという作戦があった。「そんなことで戦争に勝てないでしょう? 国民がどうなっても構わないから戦争をやるんだ。間違っているでしょ」

 「戦記では『何島で何万人死んだ』と十把ひとからげに言われる兵隊にも個々の人生があったんだ」。夫婦で生活していれば、夫の戦死で家族が「破壊」される。だが個々のことを考えていたら戦争はできない。人間性を無視し、個を破壊して行うのだと。

 新藤さんの語気が強まる。「平和な国家を作るということは家庭を守るということです」。国民が仕事をして生きて、かけがえのない家庭を作っている。それが国を作っている。「『平和のための戦争』などいかなるスローガンがあろうとも、家庭を破壊しているのは間違いない。『平和のための戦争をやる』。これほど矛盾をはらんだことはないでしょう」。個が破壊されるから戦争はしてはいけない、と新藤さんは繰り返す。

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戦争は“個”を破壊する 日本最高齢映画監督 新藤兼人さん

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妻亡くした孤独を克服 生ある限り仕事

情報提供元:定年時代

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※この記事は『定年時代』2007年8月上旬号に掲載されたものです。
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